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牛草 健吉; 諫山 明彦; 栗田 源一; 石田 真一; 閨谷 譲; 石山 新太郎; 菊池 満; 大塚 通夫*; 佐々木 隆*; 中川 敏*; et al.
Fusion Engineering and Design, 51-52, p.371 - 376, 2000/11
被引用回数:1 パーセンタイル:12.1(Nuclear Science & Technology)定常炉心試験装置JT-60SUの真空容器及び超伝導コイルをビーム及びシェル要素でモデル化し、地震等の非標準時の振動解析を行った。コイルの軽量化、隣接コイルのシアパネル連結、支持脚の剛性化が固有振動数を高めるのに有効であること、超伝導コイルシステムの固有振動数をITERに比べ高い1.03Hzとすることができた。JT-60実験棟の床面に350-400galの加速度を与えて、動解析を行った結果トロイダルコイルの変位は2mm以下であり、コイルが床面とほぼ同様の振動を行うことを明らかにした。真空容器の固有振動数は6.1Hzであり、コイルと同様の動解析の結果真空容器の最大変位は2.4mmとなった。これらの結果はJT-60SUが地震に対して十分な耐震性を有することを示している。JT-60SUのトロイダルコイルの超伝導線材として想定しているNbAl線材の製作に必要な技術開発をほぼ終えた。また、SUS316に比べて低放射化材料として優れた高マンガン銅(C:0.02-0.2wt%,Mn:15wt%,Cr:15-16wt%,N:0.2wt%)を開発した。
森 康二*; 根山 敦史*; 中川 浩一*
JNC TJ8400 2000-064, 175 Pages, 2000/03
本研究は、高レベル放射性廃棄物の地層処分システムに於けるニアフィールドの耐震安定性の評価を目的として、以下の検討を実施したものである。(1)解析コードの妥当性の検証 本研究で開発してきた三次元有効応力解析コードは、とくに間隙水圧を考慮しない1相系解析機能に対しては、振動実験等による実測データとの比較を通じて検証を行ってきた。本年度は、サイクル機構で別途実施した緩衝材の液状化試験データを用い、間隙水圧の挙動に着目した有効応力解析機能の検証を行った。(2)2000年レポートに対する補足解析 2000年レポートでは代表的な処分場デザインのオプションを念頭に置いたニアフィールド地震応答解析および評価を行い、人工バリアシステムの耐震安定性を確保できる見通しを得ることができた。その一方で、オーバーパック-緩衝材間や緩衝材-岩盤間等の材料不連続面の応答を規定するモデルパラメータが、評価上重要な因子であるとの知見が得られた。今年度は、上記の2000年レポートに示した検討結果を支援するため補足解析を行い、耐震安定性に関する総合的評価を行った。(3)防災研との共同研究取りまとめに対する補足検討 平成4年度から進められてきた人工バリアシステムの耐震安定性評価に関する共同研究は、今年度を目処に成果を取りまとめることとなっている。本研究では、実測されたデータとの比較を通じて、解析コードの検証作業を段階的に進めてきた。本検討では、最新版の解析コードを用いた一連の実験データ解析を改めて行い、上記共同研究の取りまとめに資するデータ整備を行った。
森下 正樹
JNC TN9400 99-041, 187 Pages, 1999/05
現行の配管耐震設計手法には必要以上の安全裕度が含まれていると認識されている。そこで、高速炉の主冷却系配管の設計例を対象とした耐震解析を行い、種々の基準による強度評価を実施するとともに、実際の配管の耐力を評価し、基準が有している裕度の定量化を試みた。また、現行の許容値を緩和した場合の配管設計への影響や合理化効果を検討した。その結果、以下の点が明らかになった。a)非線型時刻歴解析による応答と(設計許容値から安全裕度を除いて求めた)真の強度を比較すると、本検討で取り上げた設計例の配管は、現行の設計手法(床応答解析と高温構造設計方針を使用)で許容される地震力の、数倍から20倍程度の地震力を与えて、初めて破損する。b)ASME新基準と非線形時刻歴解析による評価とは比較的対応性が良い。従って、ASME新基準による許容限界が今後の基準合理化に向けての目安目標となろう。c)ASME新基準相当の合理化基準を適用する場合、許容応力が高いため設計において応力を抑えるための対策(サポート設置や板厚増)を施す必要はほとんど無くなる可能性がある。但し、固有振動数をある程度に確保する必要があり、そのためのサポートは必要である。
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PNC TN1410 98-018, 69 Pages, 1998/09
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礒崎 和則; 冨田 直樹
PNC TN9410 97-069, 134 Pages, 1997/07
平成7年1月17日早朝に発生した兵庫県南部地震を契機に、原子力安全委員会及び科学技術庁原子力安全規制局原子炉規制課は、安全審査に用いられている耐震設計に関する関連指針類の妥当性の検討を行うとともに、昭和56年審査指針制定以前に建設された原子力施設に対して、昭和56年審査指針に基づく再評価を要請した。 高速実験炉「常陽」は、昭和45年2月に原子炉設置許可を受領した施設であるが、MK-・冷却系改造に係る設置変更許可申請において、既に、昭和56年審査指針に基づく再評価を行っていることから、科学技術庁の要請対象施設となっていない。しかし、MK-・における評価は、改造範囲に限定されていることから、この範囲を拡大して耐震性の再評価を行った。 昭和56年審査指針の考え方に基づき策定された基準地震動及び静的地震力を用いた再評価の結果、建物、機器・配管系の構造健全性に問題ないことを再確認した。なお、これら耐震性評価における地盤内伝播解析、建物動的応答解析における解析モデルの諸条件は、JEAG4601の1987年版及び1991年版(追補版)に基づき設定している。また、これらの設定にあたっては、敷地における地盤調査結果及び実機の起振実験等に基づき設定しており、その諸定数の妥当性が確認されたもので、かつ、保守性が考慮されていることを技術的に確認した。
栗原 雄二*; 深沢 栄造*; 堀田 政国*; 窪田 茂*
PNC TJ1449 97-004, 901 Pages, 1997/03
本研究は、地層処分システム全体の詳細研究を行い、我が国の自然環境条件に即した実現可能な処分施設の詳細仕様について検討すると共に、地層処分システムの設計解析手法の整備を進めることを目的とするものである。既住の研究成果を踏まえ、本年度は以下の項目について検討を行っている。1)設計研究に係る前提条件の整備2)人工バリア及び処分施設に関する設計・製作技術の検討3)処分施設に関する事前調査及び建設・操業・閉鎖に関する検討4)安全対策及び経済性に関する検討この内の1)については、我が国の水系パターンや断層間隔等の自然環境条件を踏まえた10km四方の仮想地形及び仮想地質構造モデルを結晶質岩と堆積岩について構築した。また、岩盤物性データの整備とての力学、水理学、熱の分類でデータの収集を行うと共にひずみ軟化のデータ取得のための室内試験を実施し、データベースの整備を図っている。2)では、人工バリアの力学解析として個別現象の解析と複合現象の解析を実施し、前者からはオーバーパックの沈下量が約2mmという結果を得た。また、耐震安定性の評価では13地点の地震観測事例の調査を行い設計振動の考え方を整理すると共に、既住の耐震設計手法の調査を行いその考え方を整理した。連成現象については、廃棄体の熱に起因する地下水の対流による熱の移流を評価するための熱-水連成解析を実施した。3)では、事前調査項目の整理として、地質学特性、岩盤力学特性、水理学特性、地化学特性の設計入力データ項目をまとめた。建築・操業・閉鎖の各段階については、必要なモニタリング項目の整理を行うと共に、各段階における実施事項の手順及び工程の検討を行った。また、閉鎖技術については関連する物性値の取得状況の整理、核種の半減期及び分配係数や侵出条件のプラグ効果に対する影響を評価するための核種移行解析、支保工の撤去に関する検討を実施した。4)では、FEPの整理と対策として建設・操業・閉鎖で想定される事故事象を整理し、その対策の検討を行うと共に、操業と閉鎖に係る単価の調査と整理を行った。
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PNC TN1410 97-010, 462 Pages, 1997/02
動燃事業団における安全研究は、昭和61年3月25日に定めた「安全研究の基本方針」及び「安全研究基本計画(平成3年度平成7年度)」(平成3年3月策定)に基づき、プロジェクトの開発と密接なかかわりを持ちつつ推進してきており、現在も引き続き「安全研究基本計画(平成8年度平成12年度)」(平成8年3月策定)に基づき実施している。一方、これら事業団の安全研究は、一部の自主研究項目を除き、原子力安全委員会の定める「安全研究年次計画」にも登録されている。本報告書は、「安全研究基本計画(平成3年度平成7年度)」に基づき実施した平成7年度までの新型動力炉関連の安全研究の5年間の成果について、取りまとめたものである。新型動力炉分野ばかりでなく耐震分野、確率論的安全評価分野のうち新型動力炉に関連する安全研究の成果(全47件)を収録している。なお、このほかの安全研究の成果として、核燃料施設、環境放射能、放射性廃棄物処分について別の報告書で取りまとめている。
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PNC TN1410 97-009, 345 Pages, 1997/02
動燃事業団における安全研究は、昭和61年3月25日に定めた「安全研究の基本方針」及び「安全研究基本計画(平成3年度平成7年度)」(平成3年3月策定)に基づき、プロジェクトの開発と密接なかかわりを持ちつつ推進してきており、現在も引き続き「安全研究基本計画(平成8年度平成12年度)」(平成8年3月策定)に基づき実施している。一方、これら事業団の安全研究は、一部の自主研究項目を除き、原子力安全委員会の定める「安全研究年次計画」にも登録されている。本報告書は、「安全研究基本計画(平成3年度平成7年度)」に基づき実施した平成7年度までの核燃料施設関連の安全研究の5年間の成果について、取りまとめたものである。核燃料施設等分野ばかりでなく耐震分野、確率論的安全評価分野のうち核燃料施設に関連する安全研究の成果(全45件)を収録している。なお、このほかの安全研究の成果として、動力炉、環境放射能、放射性廃棄物処分について別の報告書で取りまとめている。
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PNC TN1410 96-078, 581 Pages, 1996/12
平成8年10月17日の科学技術庁原子力安全局原子力安全調査室からの協力依頼に基づき、原子力施設等安全研究年次計画(平成3年度平成7年度)に登録された研究課題(水炉(新型転換炉);5件、高速増殖炉;23件、核燃料施設;30件、放射性物質輸送;1件、耐震;3件、確率論的安全評価等;7件)について成果報告書用調査票を作成した。本報告書は、国に提出した成果報告書用調査票を取りまとめたものである。
瓜生 満; 篠原 孝治; 見掛 信一郎; 近藤 俊成*
PNC TN8410 95-395, 96 Pages, 1995/12
兵庫県南部地震(1995.01.17)は近大都市を震度7の激震が襲い、死者5千数百名、全壊家屋9万数千棟、半壊家屋8万数千棟という大きな被害地震として記録された。この中で、鉄筋コンクリート造の建物についても1971年(昭和46年)以前の「旧耐震」ビルに大きな被害を及ぼし、1981年(昭和51年)以後の「新耐震」ビルに対しても移行期を含めて被害が生じた。東海事業所の再処理施設は「新耐震」以前に建てられた物であるが、主要な再処理施設建物については設計時に「RC柱の帯筋間隔規定の強化改正」を先取りしたり、動的解析により耐震性を確認する等十分な配慮がなされている。しかし、今回の兵庫県南部地震を契機とし、原子力施設の耐震性に大きな関心が集まっているなかで、再確認計算を求められていることもあり、再処理施設のうち分離精製工場(MP)、高放射性廃液貯蔵場(HAW)の動的解析を最新の知見に基づき行った。解析の結果、指針による基準地震動S1及びS2に対して耐震性を有していることを確認した。
志水 伸二; 棚井 憲治; 谷口 航; 酒井 裕一*
PNC TN8410 95-027, 56 Pages, 1995/02
地層処分システムの設計研究においては、第二次とりまとめの目標である「人工バリア性能の定量的評価」のための評価対象の明確化を目標として、結晶質岩系及び堆積岩系それぞれに固有な地質環境特性を考慮して適用可能な処分場等の基本設計に必要な解析手法の検討を進めてきている。これらの結果は、第二次とりまとめに向けた今後の解析検討を進めていく上で、問題点や研究の方向性を導出するという観点からも重要なデータである。そこで本報告書は、これら過去に進めてきた解析検討について内容を把握するとともに、それぞれの検討において導出されてきた課題を整理し、今後の解析手法の検討に反映させることを目的として、特に1988年から1991年の第一次とりまとめを行うために検討された設計解析事例を調査し、まとめたものである。
安藤 雅孝*; 伊藤 潔*
PNC TJ1604 94-003, 210 Pages, 1994/03
本調査研究は、跡津川断層系特に茂住祐延断層周辺に発生している微小地震の震源決定を精度良く行い、本地域における地震活動と断層活動を正確に把握することにより、活断層の発生メカニズムに関する知見を得ることを目的にしている。本年度の調査項目以下の通りである。(1)地震計の設置(2)微小地震の観測(3)地震解析(4)報告書の作成本年度は特に、微小地震の深さ方向の精度を良くするため、茂住鉱山長棟坑道内に地震計を設置し、活断層沿いの微小地震分布とその特性を把握することに重点を置いた。地震の震源を精度良く決定するには、観測点が適正に配置される必要がある。今回の研究対象地域である跡津川断層付近の微小地震の観測網の観測点は約25-30km間隔で設置されている。これらの観測点による震源決定は、断層付近の詳細な調査には不十分である。特に地震の深さを含めて精度の高い震源を得るには、震源に近いところに観測点が存在し、震源を取り囲みかつある程度遠方まで観測点が必要である。以上のような点を考慮し、以下の神岡鉱山の坑内に、地震観測点を設置した。坑内においても、岩盤のしっかりした場所を選定し、破砕帯などは避け、また、水滴の落下によるノイズなどは極力避けて適切な場所を選定した。観測点の位置は神岡鉱山茂住坑内の坑口より約1.15km入った場所で、正確な位置は以下のとおりである。北緯 36度26分05秒東経 137度17分35秒高さ 363m(S.L.)観測装置は地震計および送受量装置、記録装置からなり、センサーとしては短周期(固有周期1秒)3成分の地震計が設置された。現在までのところ十分なデータが得られていないので、解析は緒についたばかりである。上宝の従来の観測網での震源と茂住を加えた場合の震源の違いを比較すると、断層近くの地震の震源が震央で7km、深さで6km程度動いていることが分かる。このように観測点を追加することによって、震源の精度が著しく向上し、今後断層の構造の理解が進むものと考えられる。
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PNC TJ1552 94-001, 173 Pages, 1994/03
平成5年度の委員会業務としては、岩手県釜石鉱山大峯地区の坑内外に設置した6ヵ所の地震計による地震観測および、坑内L550に設置された水圧、水量、水質観測用の各計器により、地震発生時の地下水理の変化について観測し、得られた諸データについて解析を行った。工事としては、地形が地震動に与える影響を調査するため、地表(L725坑口)に記録装置付の強震計1台を増設した。研究活動としては、地下水理・機器ワーキンググループと数値解析ワーキンググループを編成し、前者は地表に増設する地震計の、設置点の現地調査その他を、後者は観測地震のデータ解析結果や耐震設計手法の評価に関する研究成果の検討などを担当し、本委員会に諮り更に検討を加えた。報告書の第1章では、10年目に入った本委員会の研究方針と研究活動の概要について記述した。第2章では、地表へ新たに増設した地震計に関して、設置する目的、設置点の選定および、設置工事について記述した。第3章には、平成5年度に釜石鉱山で観測された46個の地震について、夫々の観測データおよび解析結果について記述し、第4章では、同じく地下水理関係の観測で得られた諸データと、その解析・検討結果について記述した。第5章では、深部地下構造物の耐震性を評価する研究対象として、昨年度に引続き坑内水平坑道をとり上げ、各種要因の安定性に及ぼす感度解析とその成果について記述した。即ち、水平坑道の耐震安定性に影響を与える要因である、坑道の設置深度、側圧係数、地震力および岩盤のせん断力の中では、岩盤のせん断力が最も大きなものであることを示した。第6章では、あとがきとして、今年度に得られた研究成果をとりまとめて述べると共に、今後の課題を提言し示してある。
平田 勝; 石川 一哉*; 黒澤 誠; 福島 奨; 星名 博文*
JAERI-M 92-206, 50 Pages, 1993/01
地震時におけるプルトニウム取扱用グローブボックスの構造強度解析は、プルトニウムの閉じ込め機能を評価するうえで重要である。しかしながら、プルトニウムの閉じ込め機能をより高い精度で評価するためには、地震時に発生するグローブボックス本体の窓枠とアクリル樹脂製窓面との相対変位について解析する方法を検討する必要がある。このため、有限要素法による構造解析コードMSC/NASTRANを用いて、大洗研究所燃料研究棟の標準的なグローブボックスを対象に耐震解析を行った。固有振動数および静的震度法による解析の結果から、グローブボックス窓枠周辺部の最適モデル化の手法について検討した。また、最適モデルについてグローブボックスの地震時における構造強度および窓枠周辺部の変位量を床応答スペクトル法および時刻歴応答法により詳細に評価した。
二川 正敏; 小泉 興一; 清水 克祐*; 高津 英幸; 武藤 康; 今木 敏雄*
JAERI-M 92-164, 58 Pages, 1992/11
国際熱核融合実験炉(ITER)の大型真空容器について、1/16セクタの詳細な構造モデルを用いた固有値解析を行って真空容器のポロイダル断面内の振動挙動を調べると共に、詳細モデルによって得られた固有値解析結果に基づいてリブ付き二重壁構造体の特性を維持できる解析モデルの簡易化手法の検討を行った。さらに、簡易化したセクタモデルを1/2トーラスモデルに展開してトーラス構造体としての真空容器の低次振動挙動を検討した。得られた主な結論は以下の通りである。(1)評細モデルにより得られた1/16セクタ真空容器の一次固有振動数は、約30Hzであった。(2)補強リブ付き二重壁構造を有する真空容器一般部の振動挙動は、剛性として直交異方性を有する一枚のシェルで表わせる。(3)真空容器の低次振動挙動に対しては、二重壁構造シェルの剛性、上部ポートの質量が支配的である。
篠原 孝治; 三宮 都一
PNC TN8410 91-214, 78 Pages, 1991/08
東海事業所における建家設計用入力地震波については,ELCENTRO等の強震記録や,東海サイトで観測された記録波を用いてきたが,再処理施設安全審査指針(昭和61年2月20日原子力委員会決定)により,解放基盤表面での地震動(基準地震動)の策定が義務付けられた。このため,ガラス固化技術開発施設の設置に伴い,基準地震動のうち設計用最強地震SIを策定し,解放基盤より上の地層を想定し,1次元波動方程式により建家入力地震波を作成した。今回,RETF敷地のボーリング調査により解放基盤までの 300m級ボーリングを行い,解放基盤より上の地質構造を明らかにした。この地質構造を用いて,新たに1次元波動方程式により建家入力用地震波を作成し,従来の建家入力用地震波(S1)との比較を行った。その結果,再処理施設として用いている従来のS1波を用いることがRETFの耐震設計上危険側で無いことが明らかになった。また,RETF建家の検討用として,設計用最強地震S1と同様な手法を用いて,設計用限界地震S2に対する建家入力用地震波を作成した。なお,本報告書は従来の許認可資料をベースに作成しており,資料の継続性,整合性に配慮したものであり,今後のリサイクル機器試験施設の許認可説明に使用する予定である。
北村 誠司
PNC TN9410 90-099, 73 Pages, 1990/06
FBRの原子炉容器構造は薄肉大口径となり、内部に冷却材として大量の液体金属ナトリウムを包む。このような原子炉容器等の耐震安全性を評価する際、流体と構造系の動的相互作用を考慮することが重要である。そこで本研究では、この相互作用を考慮した手法により液体を内包する円筒殻体の振動特性を解析し把握することを目的とする。底板固定の平底タンク及び上吊り型の丸底タンクを解析モデルとして、汎用構造解析コードFINASによる固有値解析を実施した。FINASの結果は既往の研究結果と良く一致し、FINASが流体-連成振動解析に十分に有効であることを検証した。今回解析対象とした平底タンクの場合、最も低い固有振動数は高次(8次)のシェルモードであること、丸底タンクの場合、固有モードはかなり複雑になるものの低次のシェルモードの場合には鏡部が、高次のモードでは胴部がよく揺れる傾向があること、および軸直モードやシェルモードでは鏡部の中心は振動の節となるが軸モードの場合は振動の腹となること等いくつかの知見を得た。本研究成果と先に実施した原子炉容器のスロッシング解析とを合わせると、線形の範囲内での流体-構造連成振動解析手法が-通り整備されたことになる。
五十幡 直文*; 森下 正樹*; 今津 彰
PNC TN9410 88-080, 132 Pages, 1988/06
本研究は、ベローズ配管系の耐震解析法並びに耐震支持手法を確立するための一連の試験研究の一環として、地震力に対するベローズ単体の応答と発生応力の評価法の整備を目的として行った。ベローズを等価な一様断面の棒又ははりでモデル化し、軸方向及び軸直方向の地震応答を簡易に評価する手法を開発した。この簡易評価法を用いて、接続配管口径20Bのベローズについて山数をパラメータとしたスペクトル応答解析を行なうとともに、その検証のために有限要素法(汎用解析コードFINAS)による解析を実施し、適用性の評価を行なった。さらに、振動台を使用して行なわれたベローズ単体の地震波加振試験結果をリファレンスとした実験解析も実施した。簡易評価法による地震応答解析の結果は、耐震評価上重要な軸直の各モードでFINASによる詳細解析と良い一致を示し、その適用性について良好な結果が得られた。実験解析においては、簡易評価法による応力評価が実験値に対し安全側の値となる結果が得られた。本研究により、ベローズ単体の地震力に対する応答と発生応力を実用上十分な精度で簡易に評価できる解析手法が整備された。
谷田部 広志; 西口 磯春
JAERI-M 83-212, 54 Pages, 1983/12
多目的高温ガス実験炉の高温機器の1つである中間熱交換器は、原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する重要な機器である。本報告書は、中間熱交換器の地震時健全性を確認するために行っている耐震解析のうち、解析手法および振動特性に関する検討結果をまとめたものである。多層多列のヘリカルコイル状伝熱管群を内部に含む複雑な構造物である中間熱交換器を各構造要素に分割し、3次元有限要素により詳細モデルを作成して固有値解析を行った。次に、この結果に基づいて工学的に妥当な簡略化された全体モデルを作成し、固有値解析を行った。その結果、伝熱管群及びセンターパイプが同位相で振動し、その1次固有周期は0.4Hzであることが明かになった。
伊与久 達夫
JAERI-M 9447, 57 Pages, 1981/04
多目的高温ガス実験炉の炉心は約2000個のブロックを使用しており、各ブロックは地震加振状態で運動することができるので、地震時における炉心耐震性の実証は必要となる。その一環として、垂直2次元炉心モデルに対して数個のブロックを一体化する簡略モデル解析を実施し、その解析モデルの特徴および垂直2次元炉心の振動特性を調べた。得られた結論は次の通りである。(1)パラメータ・サーベイには8ブロックモデル解析が有効であり、より詳細な解析には10ブロックモデル解析で十分である。(2)モデルを簡略化するほどコラムのソフトスプリング特性は弱まり、共振周波数は高周波数側にスライドする。(3)簡略モデル解析の実用範囲は加振加速度レベルにより制限される。(4)加振周波数、加速度およびオリフィスギャップが振動特性に与える影響を明らかにした。